『少年と犬』

私は犬好きだ。特に大型犬が。
この映画のシェパードもかわいい。それだけで観る価値ありと思っていた。

<ストーリー>
震災から半年後の宮城県仙台。職を失った青年・和正(高橋文哉)は、同じく震災で飼い主を亡くした一頭の犬・多聞(たもん)と出逢った。
和正とその家族に瞬く間に懐き、一家にとって無くてはならない存在となったが、多聞はなぜか常に<西の方角>を気にしていた。
そんな中、家族を助けるため危険な仕事に手を染めてしまった和正は、やがて事件に巻き込まれ、その混乱の最中に多聞は姿を消してしまう―― 。
時は流れ、多聞は罪を隠し続ける女性・美羽(西野七瀬)と滋賀県にいた。
多聞と過ごすことで徐々に平和な日常を取り戻していく美羽の前に、離れ離れになってしまった多聞を追いかけてきた和正が現れる。
最初は和正を警戒した美羽だったが、多聞を通して二人は少しずつ心を通わせ始める。
しかし、美羽が犯した罪は二人をどこまでも追いかけてきた。
「俺が多聞を届ける」美羽との約束を叶えるため、和正は多聞とともに“少年”を探す旅に出た。
そこに待ち受ける過酷な運命、そして奇跡とは―― 。

犬以外の感想としては…。
「脚本に苦労しているなあ」という感じだろうか。
和正役の髙橋文哉と美羽役の西野七瀬の「W主演」というのを常に謳っていたが、普通に作るなら、多聞が過ごした飼い主ごとにパーツを分けて物語を作るか、あるいは、(理由は詳述しないが)和正をストーリーテラー(まさにガーディアンエンジェル)として構成すべきだろう。

しかし、この二人を主演として据えた脚本作りとしたため、いまいち軸が定まらない構成となっていて、128分というさほど長くもない尺であるにも関わらず、どこにクライマックスがあるのかはっきりせず、少し冗長な作りになっているという印象が否めない。
(まあその分、TBS製作にも拘らず、他の地上波民放でも二人が出演するプロモーションが結構行われていたので、マーケティング的には成功なのかもしれないが…)

そして何より、犬好きとして気になったのは…。(動物愛護的側面もあったのかもしれないが…。)
飼い主が暴行を受けている時、多聞が吠えるばっかりで戦わないのだ。
軍用犬でもあるジャーマンシェパードなら、「こんな時、戦わないわけない!」と思ってしまった。
逆に犬好きであるが故に、中途半端な犬の扱いは、「犬の矜持を傷つける」と感じてしまった(笑)。

まあ、とはいえ楽しめたし、なあちゃん(西野七瀬)も良かったので、総合的にはまずまずというところか。
※西野七瀬、伊藤万理華、山下美月、久保史緒里。現在、公開中の映画だけでも、乃木坂(OG含め)映画界で頑張っているなあ。