映画『F1/エフワン』を観た

主人公のソニーは、F1の全盛期にアイルトン・セナ、アラン・プロスト、ナイジェル・マンセルらと一緒に走っていた男という設定。
そして現在のシーンでは、現役F1ドライバー マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、セルジオ・ペレスらが登場する。
正直、現在の合成技術なので、アーカイブ合成なのか?映画用に新撮したのか?私では見分けはつかない。
ただ、メルセデスF1チームのCEOトト・ヴォルフだけは台詞もあったし、演技もしていた(笑)。

<ストーリー>
かつて“天才”と呼ばれた伝説のF1レーサー、ソニー(ブラッド・ピット)が、再びサーキットに戻ってきた。
誰よりもレースの過酷さを知る男が現役復帰を果たした先は、どん底の最弱チーム。
しかし、常識破りなソニーの振る舞いに、自信家のルーキードライバー・ジョシュア(ダムソン・イドリス)やチームメイトたちは困惑し、度々衝突を繰り返す。
バラバラなチーム、そして、最強のライバルたち。
敗北が濃厚となる中、ソニーの“常識破りの作戦”が最弱チームを導いていく!
果たして彼らは、その無謀とも言える賭けで逆転できるのか?
それぞれの情熱と誇りを胸に、命がけで夢<スピードの頂点>へ挑む!

面白かった。というより、すごい迫力だった。
ディズニーランドやユニバーサルスタジオのアトラクション気分。
とはいえ、スジもちゃんとわかりやすくあるし、最後もハッピーエンド。
ある意味、ハリウッド映画らしい映画である。

ただ、ドラマと考えた時に、ちょっと物足りない。
どうもソニーのキャラクター設定が中途半端と言おうか、枷の部分が薄くて感情移入はしづらい。
それと…。そもそものストーリーについてだが。

昔(中島悟がキャメルロータスに乗っていた頃、マンセルの大ファンだった)は私もF1に熱狂していた。
しかし、ホンダが弱くなり、セナが死んでしまった頃からあまり見なくなった。
そういうわけで、F1に対してそれなりの知識は持っているが、それでも最近の相次ぐルール変更の変遷にはついて行けていない。

この映画では、ソニーがF1復帰し、型破りな方法でポイントを挙げてゆくシーンがある。
それが正直わかりづらい。
そもそも、年中変わるわかりづらい現在のF1ルールをモチーフにしていて、それを裏技的に利用しポイントを稼ぐというやり方に、一般の映画客はついていけたのであろうか?
ジェリー・ブラッカイマー プロデュースのアクション映画(『トップガン』『パイレーツ・オブ・カリビアン』等)だから観に来た女の子に、このルールの盲点を突いたような作戦の意味がそもそもわかるのか?
少々疑問は残った。

とはいえ、この大迫力の映画は、ブラッド・ピットが実際にF1カーをドライビングすることで支えている。
劇中でもランニングやハードなトレーニングもしているし、裸にもなっている(笑)。
『ミッション:インポッシブル』のトム・クルーズもそうだが、還暦過ぎだよ…。
すごすぎる!
もちろん、真田広之もすごいし、阿部寛や仲村トオルに「肉体を作れ」と指示を出せば、それなりの身体は作ってくると思う。
ただ、彼らでここまでの映画は出来るのか…?
まあ、資本も違うし、比較してもしようがないのだが。

まあなんにせよ、映画館で観るべし。
逆に、映画館で観なければ意味がない作品であることは間違いない。