『夜明けのすべて』を観て

ひとことで言い難い映画なので、雑感を箇条書きする。

いい映画だと思う。
好みかどうかと聞かれれば、好みではない。
カタルシスがないから。

自分がプロデューサーとして、この映画をやるかと聞かれれば、この監督と信頼関係がなければやらない。
原作物ではあるが、内容(モチーフとして、PMSやパニック障害を題材としている)に作家性が強く、脚本段階でいじりようがない。
つまり、最終的な興行に対して、(出資者に)保証が出来ないから。
(とはいえ、まずまず入っているようだが…)

松村北斗が良かった。
岩井俊二監督の『キリエのうた』の時も感じたが、ナイーブな青年役としては抜群だ。
(目黒蓮も好きだが、彼はスノーマンとして売れすぎ、地上波テレビでの活躍で、ステレオタイプな若者の印象が強くなりすぎた)

カメラは何で撮影しているのだろうか?
まるで16mmフィルムで撮ってるような映像だった。遠景はつぶれて滲んでいた。
もしニュアンスを出すため、あのようなトーンにしたのだとしたら、時代錯誤だと思う。(余計なお世話だが)

色々書いたが、いい映画なのだと思う。
次は、『陰陽師』とか『キングダム』とか、わかりやすいの観に行こう。
(また、山﨑賢人か…)