アマプラ『沈黙の艦隊 シーズン1』

amazon prime 『沈黙の艦隊 シーズン1』を鑑賞。
面白かった。以前も書いたが、私が“潜水艦もの”が好きであることもあるのだが、何しろいい出来だった。
それは、「制作費が大きい」ことに間違いなく起因している。
そしてもう一点、主演の大沢たかおがプロデューサーとして加わっていることも、成功要因にあるように思われる。

原作コミックのドラマ化問題が取りざたされている昨今、作者のかわぐちかいじ氏が以前インタビューで次のように語っていた。
「(主演であり、プロデューサーでもある)大沢たかおさんが「自分に出来ることは何でもする」とおっしゃった」。
また「amazonスタジオが手掛けるとのことだったので、実現の可能性が高いと思った」と。

大沢たかおは、作者へのプレゼンも直接行い、作者への“誠意“を示したそうだ。
この点でも、「原作者と脚本家を会わせない」という手法をとるプロデューススタイルとは大きな違いがあり、作者自身が、この映像作品に対してシンパシーを感じることが出来たのも理解できる。
(『海猿』の場合で言えば、撮影時作者が訪問した折、主演の伊藤英明が「今じゃなきゃダメ?」と露骨に嫌悪感を示したエピソードも、作者と映画の心の距離感が出来てしまった要因であるのだろう…)

そしてもう一点。“amazonスタジオ製作“、というのも大きかったと思う。
amazon primeでの公開=世界規模のB to Cビジネス、世界規模の視聴者から回収が行なえるビジネススキームであることから、制作費も大きくすることが可能だし、作者としても、原作を損なうチープ感は回避できるという算段は当然あったと思う。

いずれにしろ、「早くシーズン2観たいなあ」と思わせる、いい作品になっていたことは間違いない。
ただ、一点だけ…。やっぱり、映画館育ちの身にとっては、映画館での公開をダイジェスト版のプロモーションユースに使うのは、やめてほしいのだが…。