『聖☆おにいさん ホーリーメンVS悪魔軍団』

私は福田雄一監督とは何度かご一緒したことがあるし、彼のスタイルというのはわかっているつもりだ。
なのでこれは、ある意味福田監督らしい作品と言える。
山田孝之が製作?に参加しているようなのだが、まあ、いわゆる福田組と言われる役者が「中心」になり、多分、製作陣の束縛も受けずに自由に演出した作品である。
であるから、観ていない人は、コント?アドリブの多い舞台?に近い作品と思ってほしい。

(いつものブログなら、ここでストーリーを詳述するのだが割愛する。まあ、色んな意味で書く必要もないから)

もちろん、笑えると思う。私も随所で笑った。
しかし、役者陣が言うように「なんにも残らない映画」である。
そして最終的には「なんか金払って損したな…」とも思ってしまった。

「悪ふざけ」。そんな言葉が当てはまる。
(撮影現場で役者のアドリブを見ながら、監督が大笑いする声が聞こえてくるようだ…)
それでも、完全に「福田組」の役者だけで、舞台やライブのような生ものでやるのだったら許せたりしたのかもしれない。
でも…。
やっぱり、岩田剛典と白石麻衣が「浮くんだよなあ…」。
二人とも頑張っていたし、悪いというわけじゃないけど、常連組がやっている「舞台の悪ふざけノリ」とは違う「一生懸命な映像芝居」になっており、そのため要所で「冷める」のだ。
そして、その冷めた感覚が「俺は何に付き合わせられてるんだ??」と感じさせてしまう。

おそらく福田監督には、(精神的にも)ガチガチの福田組ではない「売れっ子」の主役(や準主役)が手堅いプロデューサー陣にあてがわれて、その枠組み(枷)の中で撮った方が、シリアスで程よくコメディ要素の入った「いい感じの」仕上がりになるのではないだろうか。

その意味でも、同じ福田監督作品である『アンダー忍者』の方が期待が出来る。
山﨑賢人や浜辺美波では、絶対このノリにはならないから。

まあなんにしろ福田監督には、「楽しそうで何よりです」とは言いたい。