『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』

映画『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』を観た。
事前情報で、賛否両論ある映画なのはわかっていたが、その理由がよくわかった。

前回の映画『JOKER/ジョーカー』は、「バットマンの宿敵ジョーカーの誕生の秘密を描いた」作品で、宣伝も含めそう謳っていたし、私もそう感じていた。
いい作品だとも思った。
しかし『フォリ・ア・ドゥ』は、続編でありながら、結局、バットマンの宿敵「ジョーカー」にはなれず、挫折し死んでゆく(ネタバレ御免!)、ただの人間「アーサーの物語」になってしまうのだ。

私は、DCもマーベルも、それほど詳しいわけではない。
しかし、クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』シリーズは大好きで、すべてのBDも買い揃えている。
そういう人間からしても、前回の『JOKER/ジョーカー』のダークなイメージは好きだし、「バットマンの宿敵」の「前日譚」として十分面白かった。

しかし、今回の『フォリ・ア・ドゥ』は、完全に「原作(バットマン)を逸脱している」のだ。
『セクシー田中さん』の事件さえ思い起こしてしまうような、映画製作者が原作を読んで(映画を観て)いる内に勝手にインスパイアされて、「こういうストーリー思いついちゃった」のを映画化したような作品だ。
正直言って、これでは「バットマン」ファンは全く納得しないのでは?
前回が良かっただけに、私としても非常に残念な作品であった。

唯一「いいな」と思った点は、この狂気のストーリーを「ミュージカル」という「非現実な」演出で描くことで、斜めに表現している感じ。それは、ちょっと良かった。
レディ・ガガもピッタリの役どころだったのでは。
(まあ、あのラストはないけど…)

まあ、納得いかない鑑賞後感ではあったが…。
次回は、『踊る大捜査線』シリーズ最新作『室井慎次 敗れざる者』について書く予定だ。
これもまた、賛否両論(いや、「否」しかないのでは?)ある映画でね…。