杉咲 花はいいねえ!
映画『朽ちないサクラ』を観た。
やはり、わかっていたことだが、杉咲花がよかった。
俳優としての実力はもちろんある。
でもそれだけではなくて、あの見た目が大きいのだが、若者の成長譚をやるのにちょうどいい子供っぽさがあるのだ。
最初はダメだったのに、困難を乗り越え成長してゆく、そんな役柄が本当に似合っている。
内容的には“警察の内幕もの”で、「公安」を扱ったストーリーだ。(公安のことを警察内の隠語で「サクラ」と呼ぶらしい)
割と骨太なストーリーだし、脇の役者たち(安田顕、豊原功補等)も重厚感があり、この映画の“重み”を支えている。
しかし、この映画はやはり杉咲花だ。普通に考えれば、あの童顔に小さな体躯、およそ警察の人間(正確に言うと、役柄的には警察職員)としてのリアリティには程遠い。
しかし、そこは「杉咲花」。最後の「黒幕」(誰かは書きませんよ)を追い詰めてゆくシーンも鬼気迫るリアリティがあった。さすがである。
惜しむなくは、実行犯が新興宗教というのが、ステレオタイプっぽい気がしないではないが、まあ原作物だし、そこはどちらかと言うとモチーフであって、ど真ん中のテーマということでもないので、あまり腐すつもりはない。
全体を通して、面白いエンターテインメントだったと言えるのではないだろうか。
全然余談だが、カルチュア・エンタテインメント(パブリッシャーズ)は、いわゆるメジャー配給ではない、こういったサイズの映画を、最近結構製作してるのに気が付いた。
今年だけで公開待ちの作品が結構あるようだし、動画配信会社とは違うスタンスで、今後も良作を作って行ってほしいものだ。