『ベスト・キッド レジェンズ』を観た

ジャッキー・チェン、年齢取ったなぁ…。
ラルフ・マッチオ、まだ役者頑張ってたんだ!知らなかった…。
『ER』のミンナ・ウェンじゃんか⁈
てか、ジョシュア・ジャクソンって、ジョージ・クルーニーに似てるなあ…。
そんな、色々懐かしさを覚える映画。

<ストーリー>
北京でミスター・ハンからカンフーの指導を受けていた高校生のリーは、家族の不幸により母親と共にニューヨークに移住する。リーは周囲やクラスメイトとなじめず、不当ないじめや争いごとなど、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまう。そんな中、数少ない友人から助けを求められたリーは友人のために戦うことを決意するが、リーは自身のカンフーのスキルがまだ充分でないことを悟っていた。リーのカンフーの師匠であるハンは空手の達人ダニエルを訪ね、リーへの助けを求める。ダニエルから空手を学んだリーは、空手とカンフー2つの異なる格闘スタイルを武器に究極の格闘大会に挑む。

この手の映画の主人公のアジア人はシャイであるのが通例だ。
しかし、この映画の主人公リーは、NYやアメリカ人の女の子に対しても決して物おじしない明るい性格である。
そんな彼の存在感が、作品全体に爽やかな風を吹き込んでいる。

物語は、異国の地で挑戦と友情、成長を描いており、その陽気で前向きな姿勢には、思わず応援したくなる魅力がある。
「自分らしさ」を貫く姿勢は、言葉や文化の壁を越えて共感を呼ぶ。
リーは決してお人好しではなく、むしろ自分の意見をはっきり言うタイプ。
NYの街角でのふとした会話、学校の教室での交流など、何気ない日常シーンでも彼の明るさは確固たる存在感を放つ。

作品構成としては、映画『ロッキー』を彷彿させる典型的なアメリカ映画的展開であった。
ライバルや挫折、トレーニングシーン、そしてクライマックスに向けての盛り上げ方に至るまで、主人公が一歩一歩、自分を超えていく様がしっかり描かれている。
試合や大会のシーンでは、観客の歓声がまるでスクリーンを飛び越えてこちらまで届くような臨場感があり、スポーツ映画としての王道をきっちり押さえている。
そこに加わるリーのキャラクターだからこそ、単なる展開の追体験にとどまらず、独自の味わいがある。

また、人間関係の描写も丁寧である。
師匠や仲間、家族とのエピソードがしっかりと感情に響き、彼らとの絆を通じてリーの成長や変化が自然に伝わってくる。
ユーモアも散りばめられており、笑いと感動のバランスが絶妙だ。
例えば、トレーニング合宿でのちょっとしたドタバタや、仲間たちとの冗談交じりのやりとりなど、重くなり過ぎず軽やかに進むテンポ感も心地よい。

映像面では、NYの街並みが美しく、光の使い方やカメラワークにも洗練されたセンスが感じられる。
夜景に浮かぶ主人公の横顔や、スポーツイベントの熱気あるシーンは、視覚的にもキャッチーで引き込まれる。
音楽もまた、盛り上がりと抑揚のあるメロディーで、シーンごとの感情に寄り添ってくれる。

総じて、『ベスト・キッド レジェンズ』は、明るく前向きな主人公リーと、スポーツという普遍的なテーマを通じて、誰もが楽しめるエンタテインメントに仕上がっていると言える。
笑いあり、熱さあり、キャラクターたちの成長に素直に胸が熱くなる。
ウエルメイドな観易い映画であると言えるのではないだろうか。