『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』

155分の大作である。
しかし映画終了後出てゆく観客の感想は、耳に入ったもののほとんどは、満足していたように聞こえた。
<ストーリー>
鬼になった妹の禰豆子を人間に戻すため、鬼殺隊に入隊した炭治郎は鬼との戦いを経て成長した。
剣士と共に激闘を繰り広げた彼は、来たる決戦に備えて、仲間たちと合同強化訓練に挑んでいた。
しかし、現われた鬼舞辻無惨に、鬼の根城“無限城”へ落とされる。
「上弦の鬼」たち、そして鬼舞辻無惨との凄絶な戦いが始まる…。
私が『鬼滅』にハマったのは遅い。
というより、原作を見ていないのだから、ガチ勢からすると「ハマった」とは言い難いのかもしれない。
とは言え、アニメでは『竈門炭治郎 立志編』『無限列車編(映画)』『遊郭編』『刀鍛冶の里編』『柱稽古編』と全て観ているので、オジサンとしては相当「ハマって」いると言えるのではないだろうか。
今回の『無限城編 第一章 猗窩座再来』ももちろん面白かった。
劇場映画で言うと『無限列車編』以来だと思うが、何しろ今回の作品は「力技」と感じた。
識者の論評を見ていると原作通りのようだが、それだけに構成も含め、正直「一見さん」に媚びていない、「わかる人にはわかる」構成になっている。
『無限列車編』は起承転結もよく出来ていたし、映画作品としての見栄えが良かった。
(以下、多少ネタバレを含む)
しかし今回の作品は、猗窩座との対戦がほぼ終わった後、つまりクライマックス後に、猗窩座の回想(なぜ猗窩座が鬼になったか)が延々と入ってくる。
もちろん、人物(鬼)紹介としては深く描かれているのだが、映画の最終盤で、このシーンを持ってくる脚本(構成)というのは、なかなかチャレンジングだな、と感じた。
テレビアニメを再編集した特別編を観ていたりすれば、この構成は割とすんなりと受け入れられると思うが、この作品単体で観に来た観客は、下手すると「えっ?」と思ったのではないだろうか。
事実として、私の知り合いなども「面白かった」と言いつつ、「回想シーンが長かった」とこぼしていた。
いずれにしろ、私にとっては面白い映画だったし、次回『第二章』(おそらく完結編)が待ち遠しい。
原作コミックを見てしまえば、大体わかってしまうのだろうから、ここは頑張って待つことにしよう。
私はまだ「上弦の鬼」についても、よくキャラクターがわかっていない鬼が何人かいるし、そう言う予備知識なしで次回作を只管待ちたいのだ。